真相

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樋「あの緑川とかいう記者の人も共犯なのか?」 本「…いえ、あの人は僕に姉のことを聞きにきました。姉のことを調べあげ、それをネタに僕をゆすってきました。『お前らの職場の人間や家族に過去のことをバラすぞ。1人の少女を自殺に追いやったってな。』そう言われました。それで彼を殺すことにしました」 矢「…。」 本「彼に知ってることを全部話すと嘘をついてここに呼び出し気絶させました。皆さんと同じ状況ですね。彼を脅して色々と聞き出しました。彼は実に皆さんのことをよく調べあげていらっしゃいました。情報を聞き出した後、彼を刺し殺して山に埋めました」 慶太は康平に近づいた。 本「樋口君。彼は君のお母様とも関係があります」 樋「え?」 本「彼は君のお母様とお付き合いしていました。そこで彼は聞いたそうです。君のお父様のことを」 樋「…。」 本「12年前、君のお父様が彼女のもとにやって来たそうです。彼女は新しい男ができたこと、そしてそのために君を施設に捨てたことをお父様に話しました。その結果、お父様は施設にやって来て、君に殺されることになった」 樋「そんな…」 本「君のお母様から父親がやって来たこと、それ以来連絡すら来ていないことを知った彼は何かあるんじゃないかと思い、君のことを調べ始めました。その過程で姉の自殺ことを知ったんです。彼は情報を得るために矢神さんと付き合い、君たちのことを調べ始めた」 慶太は康平に顔を近づけた。 その目は怒りに満ちているようだった。 本「分かりましたか? 事の発端は君のお母様が、君のことを父親に話したことが原因なんですよ」
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