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神「何なんだよこれ、意味わかんねーよ」 誰かがそう言った。 樋「(…この声は陽介か?)」 手足が固定されているため、後ろにいる人物を確認することができない。 五「クソ! ふざけやがって。ぶっ殺してやる!」 その声と同時に、ガチャガチャと大きな音が聞こえてきた。 五「クソが!! 全然外れねぇじゃねぇか!!」 本「み、皆さん! 落ち着いてください!」 取り乱している皆を慶太が宥める。 五「あぁ? 何偉そうに言ってんだよ。ノロマのくせに!」 慶太に対して翼が暴言を吐く。 樋「いや、慶太の言う通りだ。焦ったってしょうがない。とりあえず落ち着こう。無理かもしれないけど」 五「…チッ」 俺の言葉に翼は不満ながらも納得してくれた。 樋「まず皆に聞きたいんだけど、どうやってここに連れてこられたか分かる人いる?」 高「確か、私たちって昨日久しぶりに皆で会ったんだよね?」 神「ああ、それで居酒屋行って、酒飲んで喋って、3時間くらいでお開きになったんだよな」 樋「その後は?」 神「俺はつかさを家に送った後、家に帰って…。玄関のドアを開けた瞬間後ろから誰かに襲われたんだ」 高「私は家に帰ってそのまま寝ちゃって気づいたらここに…」 柴「私と翼は帰ってからずっと家にいたわ」 五「…あぁ」 樋「矢神さんは?」 矢「わ、私は家に帰ってお風呂入って寝ただけ…」 樋「?」 神「康平は何してたんだよ」 樋「俺は別の店でちょっと飲み直してた。そしたら急に眠くなって、気付いたらこの状態だった」 どうやら皆似たような状況のようだ。 樋「(…にしても、矢神さんのあの表情。)」 俺は質問されたときの矢神さんの表情が気になった。 まるでなにかを隠しているような。 柴「…それで、どうするの?」 俺はつかさの声で考えるのを止めた。 柴「このままじゃ時間が過ぎるだけよ」 樋「…そうだな」 神「でもよぉ。犯人を当てるって言ったってどうやって当てるんだよ。手がかりなんもないんだろ?」 本「…あの。ちょっと良いですか?」 樋「どうした?本城」 本「僕たちに『正体を当てろ』って言ってるってことは、僕たちが知ってる人ってことですよね」 樋「まぁ、そうなるな」 本「でしたら、1人ずつ自分に恨みを持っていそうな人物を挙げていくのはどうでしょうか?」
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