1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「お兄様!コタツが襲われているわ!!」
コタツに入り、頭だけ出している妹が寝起きの僕を見つめながら唐突に言った。
目の前には赤いもふもふとしたカーペットが敷かれてあり、その上にコタツが置かれていた。
窓からは朝の日差しが照らされているが、外は雪精がいるのか、雪がチラチラと降っていた。
ただ、そこには妹と反対側に、寝転がりながらとろけそうになっている三毛猫の愛猫(ミー)が居座っていた。
襲われてるのはニャンコのような気がするが……
「ていうか僕の愛人(コタツ)に何しやがる」
僕はコタツ布団に寝っ転がっていたミーを抱きかかえ、カーペットの外に追い出した。
「にゃー、にゃー(うっせ、バカ、やめろ)」
ミーはぶるっと震える仕草をしながらも、僕の手で暴れていた。
猫が座っていた場所を僕は入ろうとした。その時、とある事に気がついた。
「おい、妹よ。僕の愛人(コタツ)の中に入るのはやめてもらおうか」
妹は頭を反対方向に向け、口を開けた。
「何を言ってるの?お兄様。お兄様なら寝室に立派な正妻(お布団)があるではありませんか」
「何を言っている。お前こそ、寝室に布団があるじゃないか。とっとと兄上様に渡しやがれ」
僕は兄の権力を、威厳を行使して、妹に言った。
だが、妹の長い金髪が見えて口を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!