第1話「愛人争奪戦」

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「お兄様、おみかんをはよ。はよ持ってきてもらいません?私はお口はカラカラなのですよ」  パンパンと手の平で音を立てて、後ろから僕をコタツに入らせないように足でコタツ布団を押さえていた。 「くっ、この干物妹め、愚妹だぞ。整っている美顔が台無しだぞ」  僕は妹に人差し指で指差し、反抗するも、 「お兄様、私をこれ以上待たせないでいただけますか?。お兄様もコタツに入りたいのでしょう。この愛人(コタツ)は私が掌握したのですよ」  右手を甲で口を押さえつつ、僕を挑発する。  僕は仕方がないので、リビングから出て、みかんが置いてある倉庫に向かった。 「くっ、寒い……。なんで外にある倉庫まで取りに行かないと行けないんだよ。ん?」  僕は倉庫から取りに行ったみかんを持ってリビングに戻ると、妹は左腕で頭を支えながら、僕と目があった。 「お兄様、おみかんを持って来てくれたのかしら?」  僕は手に持っているみかんを妹に見せた。続けて妹が、 「上質で甘そうなみかんではないですか。お兄様、さすがでございます。さ、さ、はよ、私にはよ。よこすのです」  断固としてコタツから出ようとしない妹に僕は口を開けた。 「さっき、2階から妹のピンク柄のクマさんパンツがヒラヒラと庭に落ちてたぞ」
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