シナリオ原案

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シナリオ原案

「起きて、ゆり。起きて」 目を覚ますと、そこは屋上階段の踊り場だった。 「お昼食べてから、ゆり寝ちゃったんだよ。もう授業始まるし、行こ」 幼馴染の友人、深雪に起こされて、ゆりは教室に向かった。 ゆりはクラスで浮いた存在だった。 クスクスと笑われたり、陰口をたたかれたり。 でも大丈夫。私には、深雪が居るから。たとえクラスが違っても、深雪が居れば… そんな時現れた転校生、美樹。 「ねぇ、なんで悪口言われてるのに黙ってるの?」 言われたくないことを直球で聞いてくる美樹。 「そんなんだから、みんなに虐められるんじゃない?」 「放っておいて。深雪が居れば、私はいいの!」 「なんだ、しゃべれんじゃん。あんたが話すところ、初めて見た」 「なにそれ、わたしだって話しくらいするし…」 「ふーん。深雪って、友達?私とも仲よくしてよ」 「なんで私なんかと」 「だって虐めしてるような奴らと仲良くなんてなりたくないもん」 「…」 美樹と居ることが増えてくるゆり。 深雪と一緒に下校するゆり。 「ねぇ、深雪。今日の帰り道さ、本屋さん行こうよ」 「おーい!ゆり!」 途中で美樹に声を掛けられる。 「あ、美樹!調度良かった、深雪を紹介…深雪?」 美樹と会ったとたん、消える深雪。 深雪に会う時は、いつも二人だった?ううん、人がいるときだってある。 深雪とはいつから友達だった?小さいころから… でも写真を探しても出てこない。 学校で、深雪のクラスに行こうとすると、教室から出てくる深雪。 ゆりはほっとして、深雪と話をする。教室に戻っていく深雪。 ゆりも自分の教室に戻ろうとするが、どうしても深雪のクラスが気になり、もう一度覗いてみる。 深雪はいなかった。 すべてはいじめられた少女の作り上げた妄想だった。 もう辛い現実で生きていたくない。そんな時にゆりを救った、ゆりの中の深雪。 消えゆく深雪と、それを追いかけるゆりは…
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