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時は現代に戻り、釈放されたお爺さんは町の厳戒態勢に大変驚きました。
「…何この空気…?」
「はい、恐らく金が来た事が原因かと。あとお義父さん、御紹介しますオニ、我が軍の切り札…金鬼のトールですオニ!」
「へへ…とおるって言います。にほんから来た。よろしくな。」
「おい!何て口の利き方してるオニ!僕のお義父さんだぞ!すいません…こいつバカなんですオニ…」
「佇まいからにじみ出てるからわかるよ。しかし…にほんって?桃の奴も同じ事言ってたような…」
「あ、気にしないで下さいオニ。記憶喪失なのか、自分の名前しか覚えてないみたいで…鬼ヶ島の浜辺で全裸で立ってたんですオニ。」
「…それも桃と同じだ…」
「へへ…全裸砂浜だったな…」
「全裸まな板まで一緒かよ!」
久しぶりに聞くとやはり良い響きです…
ただ全裸砂浜より砂浜全裸の方がしっくり来ますね。
全裸砂浜ですとそういう地名だと思われてしまいそうです。
「黙ってろ金!また訳のわからない事を言うなオニ!何だよにほんって!お前は金鬼のトール!ミョルニルの使い手、雷神トールだオニ!」
「ウチにも似たようなバカはいる。そいつもこの世界とか転生とか全裸で言ってたからな。」
「へへ…そいつはどこに居るか教えろバカ。」
「家に居るって言ってるオニ!黙ってろバカオニ!それから…」
「うっ!!!」
「これ以上コソコソ隠れてると暴れるぞ?」
「せっ、センパイ…!」
「…撤収。」
先程の方々が隠れていた場所からぞろぞろと帰って行きました。
金鬼のとおるさんだけではなく、銀鬼さんも只者では無さそうです。
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