それぞれの鬼退治

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「お前達が悪だな!伝説の1ページに残る運命を喜べ!」 町民達の視線の先には光り輝く剣を掲げたタロウさん。 「あのバカ何言ってんだよ!」 「伝説の1ページに残る運命を喜べ!」 「2回言った!?」 自作の決め台詞の直後、軍艦へ走り出すタロウさん。 対峙するは銃王赤鬼。 「…ふん、面白い剣を持っているな。」 「くっ…」 レーヴァテインを受け止めたのはスヴェルという名の最強の盾。 「お婆さんの剣が受け止められるなんて!」 「あ、あれもあたしが創りました。」 「婆さん!余計なモン作るんじゃ無い!」 すかさず間合いをあけるタロウさん。 昨日の弱い者いじめとは違う本格的な戦闘にニヤつきが止まりません。 「どうやら打ち出の小槌以外にもお婆さんの道具が鬼の手の内にあるみたいですね…」 「アーティファクトと言いなさい!」 「大体婆さんがあんなの作るから鬼があんなに強くなったんじゃないのか!?」 「だから作るじゃなくて創るって書け!」 「訳のわからん事を言うな!」 人混みの中にも小さめの争いが生まれました。 「構えろ!!」 「っ!?」 一糸乱れぬ動きで先程の魔導兵器の銃口を向ける鬼達。 絶対絶命のピンチ。 しかしその危機を救ったのは何と銀鬼。 「待てあっくん!」 「はっ!」 「この地では戦うな。ここには未来の嫁がいる。」 「まさか!鬼姫の候補が!?」 「あぁ、親公認の仲オニ。その為に我等は世界を獲る。」 「…命拾いしたな。お前に興味が湧いた。」 「そうですね…ここには町民もいます。誰も巻き込みたくはありません。」 「…鬼ヶ島にて待つ。必ず来い。」 「……あぁ!」 帰って行く軍艦をタロウさんは嬉しそうに見つめていました。
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