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あらすじ
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
半田は、手を動かして、死んでいないことを確認した。
「朝か。まだ、生きてる。」
半田は、休養中にもらった睡眠薬を飲み、思い出のこの場所にきて、コーヒーを飲みながら寝てしまったのだ。
半田は、コーヒーカップを持ち、立ち上がり、ポケットから、スマートフォンでメールを確認した。
仕事のメールの中に、妻、恭子からのメールも来ていた。
この踊り場は、恭子との思い出の場所だ。しかし、二人でココで会話したことは、ほとんどない。
でも、半田にとっては、ここは思い出の場所で、思い出すだけで、笑ってしまう。
そして、仕事のメールの中に…
メールを開くと、切っても切ってもプラナリアをもらって行った少年からだった。
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件名:先生、死んじゃうんですか?
半田先生
こんばんは。
2年前にプラナリアをもらった賢太郎です。
中学生になり、今は、一応学校には行ってます。
2ヶ月前だったか、母から先生がテレビに出てて
大変だって聞きました。
そのあと、先生は疲労のため入院したって聞きました。
僕、先生だったら、って想像してみたら、
僕だったら、死んじゃいたくなるなと。
先生、死んじゃうんですか?
切っても切ってもプラナリアの賢太郎より
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半田は、いま、太陽が上がってくるのを眺めながら、賢太郎君の「先生、死んじゃうんですか?」が、頭の中で回っていた。
何を書いてメールしてよいのか、迷っていた。
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