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主要キャラクター設定
「生川光子」… 会社の事務で働く新卒OL。優しい性格でいつも人のためにと思って行動するも失敗する。
おっちょこちょいなためによく目立ち、上司からは嫌煙されている。
「影子」…正体は光子の黒い影。光子が飛び降りたことで、彼女を影にして人生奪っていく。光子にくらべて才色兼備。でも心の中は自分のことでいっぱい。
原案(あらすじ)
(前付け)
―目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった
私はやおら立ち上がろうとするも起きることができない
目の前には私と同じ背丈の黒い女がいた
「あなたは誰?」
「私はあなた。あなたは影」
そういって振り返った女の顔は私の顔とそっくりであった
女はしゃがんで私の顔を指差す
「あなたが望んだのよ―『影になりたい』ってね」
〝影になりたい″そんなことあるわけ・・
私はありえない現実に目をつぶった
「信じられない?じゃあこれから見せてあげるわ」
女の奇声で目を見開く
その瞬間、滝のように記憶がよみがえった
(あらすじ)
私こと「生川光子」は自分に絶望し、とあるビルの屋上から飛び降りる。
「影になりたい」と言った後のことである。
飛び降りたはずの自分がなぜ屋外階段の踊り場にいるのか。
答えた相手は黒い服を着た自分。
しかもその女は〝あなたは影。これからは私がかわりにあなたの人生を生きる″という。
その後、光子と名乗った黒い女は、影の光子を無視してすぐに社会に溶け込み、優秀に仕事をこなし、周囲の信頼を勝ち得ていく。さらに美に磨きをかけ、勝手に結婚の約束を彼氏にさせてしまった。
しかし、黒い女はある日、サイフから彼の目を盗んで金を盗む。目撃した光子は〝やめて!″と叫ぶも黒い女にかき消されてしまう。止めることもできず、黒い女の行動はますますエスカレートする。
〝このまま・・私、いや「影子」に勝手な人生をめちゃくちゃにされたくない!″
飛び降りた光子がついに這い上がる。
〝自由に動けないわけじゃない。影が動くから光も輝く!″
力を振り絞り、自分で影子の手をとる光子。
影子は私を睨む。〝影になった分際で!″
思わず、影子を抱きしめた光子。
―その瞬間、目の前には青い空と街の景色。眼下にはひっきりなしに通る車。
光子は飛び降りることをやめて、〝おかげさま″と言って屋外階段を一段ずつ降りるのであった。
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