始まりはいつも嘘だった

始まり

【主要キャラクター】
川崎達哉
知能は高いが、高校を卒業したのち、職を転々としている。引きこもりがちなところがあるため、色白で線が細い。高圧的だった父親から自分を守るため、小さな頃から嘘をつくようになり、極度の虚言癖に。頭部を殴打されたことで記憶が断片的なうえに、事件前後の供述にも曖昧な点が多く、捜査を混乱させてしまう。しかし、すでに自分自身でさえも、嘘と現実の境目がわからなくなりはじめていたのだった。これまで誰にも本心を明かさず孤独に生きてきたが、誰にでもオープンに明るく振舞う荒井との出会いで少しずつ心境にも変化が起きていく。

荒井翔太
署に配属されて3ヶ月の新人刑事。なかなか事件を担当させてもらえない日々にいら立っていたが、今回の通報を受け、どこか興奮している自分を隠しきれずにいた。達哉とは対照的なスポーツマンタイプの精悍な顔立ち。見た目通りの熱血漢なタイプで、達哉が虚言癖であることも気が付かぬほど、すべてを信じてしまう真っすぐな性格。達哉の嘘に翻弄されながらも、そのなかから真実を見つけ出そうと必死に向き合う。大学時代から長年付き合っていた彼女とも最近別れ、仕事への情熱が高まっている。