159人が本棚に入れています
本棚に追加
ファミレスから出ると、駐車場に陽光を浴びてピカピカと光る白い車が止まっていた。
運転席の人物は俺を見つけると優雅な仕草で車から降り、
「迎えに来た」
「香坂さん…」
少し照れたように笑う香坂さんは、シャツにデニムというラフな服装が似合っていて、まるでドラマのワンシーンが抜け出てきたみたいだ。
普段のスーツ姿もきまっているが、シンプルな私服でもセンスとスタイルの良さがよく分かる。
思わず眩しい物を見ている気分になった。
「さっ、行こう」
「はい」
香坂さんに促されて俺は助手席に乗り込む。
さっきまでの暗く重たい気持ちが和らいで、安心感が俺を包んだ。
ホッとしてシートベルトをした瞬間、後部座席からいきなり手が伸びてきて目隠しをされた。
「うわっ…！」
「だ～れだ!?」
この脳天気に明るい声は…
最初のコメントを投稿しよう！