共に動き始めた未来

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「いや、」 「今日は〜、会社のお花見でした。ブワーって咲いて綺麗だったのです」 キラキラした目で、いかに満開の桜が美しかったのかを訴えてくる。 「ここは木が少ない〜」 「まあ、街頭だからな」 眠いのか頭をフラフラさせながら俺にしがみつく。 「えっ、兄貴何拾ってんの?」 「花見がしたい青年だ」 「はっ?」 学もしゃがみ、側に置いてあった持ち物らしき鞄を持つと、 「こんな所で転がってたら置き引きにあっちゃうよ。とりあえずベンチに座らせよ?」 「そうだな、立てるか?」 「うーん」 握られていた腕を解き、今度は俺が支える。足元が覚束なく、ユラユラ寄りかかってきた。 「…いい匂いがする。悪いイケメンの匂い」 「悪いイケメンの匂いって⁉︎兄貴何を醸し出してんの」 ギャハハハ笑う学に、クンクン首元を嗅いでくる男。 「いいから、ベンチまで歩け」 「俺の名前は〜、里中大介です。大ちゃんとお呼びください」 「くっ、大ちゃんだって!大ちゃんのお家はどこ?」 「あっちー」 大通りを一本挟んだ方向を示す。
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