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「本当だと思うか?」
「あー!悪いイケメンが疑うーヒドイ〜あっちに寮あるのにー」
学に聞いたのに、この男は泣き真似しながら抱き付き、グイグイと絡んでくる。
「路地入ればマンションあるし、寮もあるんじゃん?ここら辺にある寮って、大ちゃんは結構いい会社で働いてるんじゃ」
「その通り〜それはそれはもう頑張って入りました」
会社名を聞くと、偶然達也と同じ会社だった。
「学、達也なら会社の寮を知ってる可能性あるから聞いてくれ」
「分かった」
その間にベンチまで誘導し座らせる。
「ここ、ここ!空いてますよ!」
自分の隣を叩き、俺に座れという。
「俺はいいよ」
「冷たい〜、空いてるのに、悪いイケメンが冷たい〜」
俺の手を掴み左右にブラブラ振る。近くを歩いて行く人がチラチラ見ていくため腰掛けた。
「悪いって何だ、悪いって」
「悪いイケメン、」
何が楽しいのか、フフっと楽しげに俺の手を取り両手で握り締めている。
「俺はね、頑張ってるんです」
「あっ?そうなのか、偉いな」
酔っ払いの戯言かと適当に褒める。
「嬉しい!独りぼっちだから、誰にも褒めてもらえない〜」
その言葉にギョッとして思わず顔を凝視してしまったが、変わらず大介はニコニコしている。
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