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☆天宮晴輝☆
「離して!」
声のした方を見ると、美月が若い男に捕まっている。気がつけば、夢中で走っていた。
「美月!」
快靖のおかげで男は逃げていったが、美月の様子がおかしい。
「まずい、呼吸が浅い」
「どうすればいい?」
「晴輝、お前の母親医者じゃなかったか?」
「まだ家にいるかも、とりあえず家へ行こう」
美月を俺の家に連れて帰ると、運良く母親がいた。
「母さん!美月が」
「朝から何?って、美月ちゃん。何があったの!?」
「とりあえず、部屋に運ぶから」
美月をベットに寝かすと、母親がやって来て言った。
「どうしてこうなってるの?」
そう言いながらも、診察を始めている。
俺はさっき起きたことを話した。
「そう。とりあえず二人は学校に行きなさい」
「わかりました。晴輝、行くぞ」
「……行かない」
「はぁ!何言って……」
「美月が目覚めるまで傍にいる」
「……分かったわ、学校には連絡しとくから。ごめんね、快靖くん」
「いえ、じゃあ帰りに寄ります」
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
そう言って快靖は学校に向かった。
「晴輝、しばらく下にいなさい」
「分かった」
しばらくして、母親が降りてきた。
「眠っているわ」
「分かった」
「……晴輝。あんたのせいじゃないんだから、あんまり気にしないことよ」
「……あぁ」
いや、俺のせいだ。俺が約束を破ったから……
それからはずっと美月の傍にいた。顔が青白い。
「美月……悪かった」
「......う……ん……ここは?」
「美月!俺んちだよ。待ってて、今母さん呼んでくる」
母親に美月のことを伝えると、階段を駆け上って行く。
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