☆園山美月☆

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祖父母がカナダにいるらしいが、私はこの町を離れたくなかった。晴輝と快靖がいるから。だから今はこの家に一人で住んでいる。 学校につくと、例の男子が近づいてきた。 「今日は二人して遅刻なんて、どうしたんですか~?」 「何でもねーよ」 「嘘つき」 不意に聞こえた声に振り向くと、凉白さんが不敵な笑みを浮かべて言った。 「昨日、園山さんが男に襲われたあと、天宮くんの家に連れていってたじゃない。二人揃って同じ時間に遅刻って怪しくない?」 「えっ!襲われた?何それ!」 「朝帰りってこと?うわ、まじかよ」 えっ?何で凉白さんが知ってるの? 隣の晴輝も驚いた顔をしている。 「それに園山さんがって彼氏がいるんじゃないの?それなのに、他の男の家で一晩過ごすって、彼氏さんが可哀想~」 「何でそんなことまで......」 と言うと、何人かの女子が俯いた。 ああ、教えたのか。 「凉白さん。言って良いことと、悪いことがあるって分からない?美月は今回の件で傷ついたんだよ。それなのに、美月が悪いみたいな言い方やめてくれないかな?何も知らないくせに」 珍しく快靖が怒っている。快靖が怒るとその場の空気がスッと冷えていく。それだけに妙な迫力があって怖い。     
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