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☆天宮晴輝☆
はぁ……
「晴輝、どうしたんだよ」
「ああ、快靖。……なぁお前さ、小3のときの記憶ってある?」
「小3?……あるものもある。ちょっと特別だったことぐらいかな?」
「特別、か」
「それって美月関連のこと?」
ゆっくりとうなずいた。
「やっぱり」
そう言うこいつは蒼海快靖。俺の家の向かいにすんでいて、俺が小4のとき引っ越してきた。それからは三人ずっと一緒に過ごしている。
「でもさ、美月のこと好きなら早くコクんないと。美月、好きな人いるらしよ」
「マジか!ってか何でそこまで知ってんだ!?」
「うーん。勘、かな」
勘が鋭すぎるんだよ。
「で、誰なんだよ。美月の好きな人って」
「さあ、自分で考えてみなよ。結構なくせ者だと思うけどな」
「わかってんなら教えろよ」
「知ってまた戦いに行くの?」
「うっ、それは……」
快靖はクスクス笑っている。
「あのときはビックリしたな」
俺は小5のとき快靖が美月に告白してるところを目撃してしまった。そのとき幼稚園から美月に片思いしていた俺はカッとなって気がついたら快靖が地面に倒れていた。
「あれが今まで生きてきた中で一番痛かったな」
今では笑い話だが、そのときは一週間快靖と口を利かず、最終的になぜか俺が泣きながら謝ったのだ。
「もうあんなことはしないよ」
「そう。それなら良いけど」
そう言って快靖は席を離れた。
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