3人が本棚に入れています
本棚に追加
☆天宮晴輝☆
放課後、教室に戻ると美月と氷藤がいた。何してるんだ?教室に入れなくて、ドアの前で盗み聞きをする形になってしまった。しばらくすると、氷藤が出てきてぶつかりかけた。
「うわ!えーっと、天宮くん?」
「ひ、氷藤!」
「あー!やっと来た!晴輝、早く帰ろう」
「あ、あぁ。ちょっと待って」
「じゃあ、僕はこれで」そう言って立ち去ろうとする氷藤に声をかけた。
「なぁ、氷藤も一緒に帰ろうぜ」
仕掛けてみようと思った。美月の好きな人を探るために。
「……いいけど、園山さんは僕が一緒で良いの?」
「も、もちろん!」
美月の顔が赤くなる。
昇降口に行くまで、三人とも何も話さなかった。これじゃ何も分からないと思い、
「ごめん!俺、手洗い行きたいから先帰ってて。あとから追い付くから」
と言って後ろからついて行くことにした。柱の影に隠れて見ていると、
「何してんの?」
と後ろから言われ、飛び上がるほど驚いた。
「か、快靖!驚かせんなよ」
「尾行中?」
「まあ、そんなとこ」
「あんまり美月を束縛したり、ストーキングすんなよ」
「してねえよ……あのさ、好きな人の前だと顔って赤くなるもんなの?」
「…まぁ、個人差あるけどね」
「そっか」
「そろそろいった方がいいんじゃない?」
「あぁ」
美月は氷藤と別れたのか一人でキョロキョロしている。
俺はどんな顔をして美月と接すれば良いのかわからない。
最初のコメントを投稿しよう!