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「雨くん……どうして」
「僕はこれからもこのまま雨が降る道を歩き続けるしかないんだ」
「そんなはずはない。ご両親には言ったの?」
「言えるはずないよ。父は一位が当たり前、満点が当たり前の完璧主義者。普段も僕の話を聞いてくれないし、それに今日はあんなテスト結果持って帰ったら、話を聞いてくれるどころじゃないんだ」
「……行こう」
「えっ?」
「今から雨くんの家に行こう」
「…嘘でしょ」
「嘘じゃないよ。私が話す。だから行こう」
「美月さんに出来るの?それに、何でここまで――」
「出来るかどうかはやってみないと分かんない。でも失敗したらまた考えればいいし、それに、さっき言ったでしょ?雨くんのことが好きだから、って」
「……分かった。一緒に来てくれる?」
「もちろん!」
やってみよう。誰かのために、今出来ることを――。
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