☆園山美月☆

4/4
前へ
/13ページ
次へ
「雨くん……どうして」 「僕はこれからもこのまま雨が降る道を歩き続けるしかないんだ」 「そんなはずはない。ご両親には言ったの?」 「言えるはずないよ。父は一位が当たり前、満点が当たり前の完璧主義者。普段も僕の話を聞いてくれないし、それに今日はあんなテスト結果持って帰ったら、話を聞いてくれるどころじゃないんだ」 「……行こう」 「えっ?」 「今から雨くんの家に行こう」 「…嘘でしょ」 「嘘じゃないよ。私が話す。だから行こう」 「美月さんに出来るの?それに、何でここまで――」 「出来るかどうかはやってみないと分かんない。でも失敗したらまた考えればいいし、それに、さっき言ったでしょ?雨くんのことが好きだから、って」 「……分かった。一緒に来てくれる?」 「もちろん!」 やってみよう。誰かのために、今出来ることを――。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加