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叔母さんの家
◆
駅に着いて改札口を出ると人ごみの向こうに叔母さんが手を振っているのが見えた。いつも叔母さんは僕をすぐに見つける。僕も叔母さんを見つけるのが誰よりも早い。
「電車の中、クーラーないし、暑かったでしょ?」
「そうでもなかった」暑いよりも何より叔母さんに会えたのが嬉しかった。
「陽ちゃん、もう陽に焼けてるやん、ええ色してるわ」
叔母さんが僕の日焼けの顔を眺めながら楽しそうに微笑んでいる。
「明日、約束どおり映画館に連れていってあげるわ。楽しみやね」
駅からバスに二〇分程揺られて叔母さんの家に着いた。駅周辺と違って簡素な住宅街の白いハイツの二階に叔母さんの家はある。
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