Deal×Love

１

この話を持ち出されたのは、一週間前だった。

「椿。次の日曜日、お見合いに行き、結婚してもらう」

「え」

突然、帰宅した父にリビングに呼び出されて言われた拒否権を与えない言葉に呆然として私は石のように固まる。

お見合いに、結婚しろって……？

「私、まだ十八歳、ですけど……」

私は目を見開いたまま固まりながらも訴える。

「だからなんだ？結婚はもう出来る歳じゃないか」

父はお気に入りの革張りの高級ソファーに片肘を付け、何てこと無いだろうと、十八歳の娘に平然と投げ付けてきた。

「相手はのK.コーポレーションの御子息だ」

『K.コーポレーション』は誰もが知っている有名な広告企業の大会社だ。

でも、だから何……？

私はずっと女子校のせいもあって、恋すら未経験だ。

十八歳で政略結婚なんて絶対にするもんですか！