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海さんが好きなのは、私……? 私は貴方を信じても良いの……? 「椿、俺の言い訳を言わせて」 真っ直ぐな瞳に見つめられて、僅かな疑念は振り払えなかったが小さく頷いた。 それを確認した海さんは私を落ち着かせるためか、フワリと微笑むと話し始めた。 「椿と会社の前で落ち合った時の電話で、弥生が死ぬって言ってきたんだ。椿も見ただろ?車で会社の前で弥生は待ち伏せしてたんだ。しかも電話を切ったり、椿にバラしたら死ぬって脅して。だから仕方なく椿よりも弥生を優先した。それで弥生を説得しようと、車の中で話をし始めたら、隠し持っていたナイフで手首を切ったんだ」 さっきまでは聞こうともしなかった私だが、海さんのその言葉をすんなり納得出来た。 謎が解けて、全てが繋がったから。 だって海さんのワイシャツには月明かりでもはっきり確認出来る赤黒い色が痛々しく広範囲に付いているのだ。 納得はしたが、ちょっと待てと私はハタっと動きを止める。 弥生さんはナイフを持っていたんだよね? 平常心じゃない人が刃物を持っていた。 まさかその血……海さんのものもある……? そこに考えが行き着くとサァーと顔から色味が引いていった。 「海さんは大丈夫ですか!?」 アワアワと海さんの前で激しくパニックを引き起こした。 「じゃあ、椿が確かめて?」 「え」 パニックに陥っていて慌てふためいていた私だったが、海さんのせいで動けなくなった。 だって確かめてと言った海さんが突然シャツを脱ぎ、私の目の前には引き締まった海さんの身体が現れたから。
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