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「椿はしたくない?」
そう訊かれて、私は首を激しく左右にブンブン振った。
「必死だね」
海さんにクスクス笑われて、はしたない自分に気付いた私は急激に恥ずかしくなる。
「じゃあ、目を閉じて」
余裕そうに微笑んで言われて、羞恥心なんて一瞬で吹っ飛んだ。
激しいドキドキが襲ってきて、心臓は大きな太鼓を思いきり鳴らしているかのような大音量。
今からすることでいっぱいいっぱいになったから。
ちょっと待って、この展開。
「か、か、海さんっ、ちょっと待って下さいっ!」
私はドキドキしすぎてワケが分からなくなって、大声で叫んだ。
「待てない。俺がどれだけ待ったと思ってるの?」
海さんは私の言葉を却下して不満全開に返した。
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