last

57/58
1827人が本棚に入れています
本棚に追加
/326ページ
次の日、私と海さんは桜を連れて、私達のマンションに帰った。 一週間、桜は私達のマンションに居たが、母から電話があって帰ることになった。 桜を実家に送りに行くと、両親は驚きの言葉を放った。 「家は売ることにしました。家政婦さんは減らしました」 辞めてもらう家政婦さんを突然ホッポリ出すことは出来ないので、知り合いに働かせてもらえるよう掛け合ったようだ。 「椿、今までごめんなさい。家のために犠牲にしてごめんなさい……。私が母として、貴女を守るべきだったの……」 泣きながら母は私に謝罪した。 「椿、すまなかった……。海さん、私は会社を立て直すよう、努力します。椿をどうか宜しくお願いします」 あの父が私に初めて謝った。 しかも会社を自分の力で立て直すと言った。
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!