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ようやく側まで辿り着いた座敷わらしを、自分の隣に座らせて、布団をしっかり被せてやると、最初こそハテナマークを浮かべていた彼女だったが、次第にきゃっきゃっとはしゃぎ始めた。
「うわぁぁ…っ!! あったかい!! あったかぁ~い!!」
「ふふ、面白いでしょ?」
「うんっ!!」
足をばたつかせながら、元気いっぱいに頷く座敷わらし。
そんな愛らしい姿に、私はまた苦笑してしまう。
「こら、暴れないの」と言えば、「はぁい」と静かになるが、それでもやっぱり興奮が収まらない様子で。
目を輝かせたまま、そこに鎮座する座敷わらしがなんだか面白くて、ふふっと小さく笑いをこぼす。
「じゃあ、お餅も焼いてあげようか。一緒に食べる?」
「おもちっ!? やったぁ~!!」
わぁい!! と再び大はしゃぎする座敷わらし。
こんなに明るい家はいつ以来だったかな、と私は不意に思う。
一人暮らしを始めてから、静かな部屋に少し寂しさを感じていたものだから、賑やかな彼女といるのはちょっぴり楽しい。
座敷わらしなんて妖怪とは、名ばかりな気もする彼女だけれど、これからしばらくこの子と過ごすのも、悪くはないかな。
「おっもち♪ こったつ♪ あったかぁ~い!」
「だから暴れないの~! お餅焼いてあげないよー?」
「わぁー! ごめんなさぁい!」
予想以上に賑やかになりそうです。
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