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すると、お母さんはするんとこたつに潜ってこちらに出てきた。驚くことに、出てきたときにはすでに猫だった。お母さんは体を舐めながら言った。
「よっし、じゃあ陽太。もう一回こたつに潜りなさい」
「お母さん、どういうこと?」
目の前で色々なことが起こりすぎて、困った僕は前足で顔をこすった。お母さんは、ごろごろと喉を鳴らしながら続けた。
「いい? 猫たるもの、こたつは正しく潜らないといけません。あなたのこたつの潜り方、下品ったらありゃしない……」
それを聞いた僕は目をまん丸くした。
「えっ、こたつの正しい潜り方なんてあるの!?」
お母さんは胸を張る。
「そりゃ、あるわよ。だからお母さんがいちから教えてあげる」
そう言いながら、お母さんはこたつに潜っていった。
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