134人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
4.相棒とは
九州へ飛んだ誌崎警部から、恒松悠の足跡を見付けたとの連絡があった。
詐欺師のすることだから、本当に宮崎へ逃亡したとは限らないと思われたが、街の防犯カメラや目撃情報を調べ回った結果、当人とおぼしき人物にぶち当たった。
若社長の兄と瓜二つの顔。しかし今は髪型を変え、肌の色を焼き、体型も太らせて別人さながらにカモフラージュしていた。
それでも挙措や癖まではごまかせない。決して素姓を消せやしない。
誌崎は宮崎県警と協力し、恒松悠が寝泊まりしているカプセルホテルを特定した。
奴が騙し取った金のうち、いくらかは手元に残して逃走資金に充てていたのだろう。全額取り戻せるかは不明だが、早いうちに金のありかを聞き出したい所だ。
犯人の逮捕は、すでに秒読み段階だった。
*
『もしもし、恒松悠を確保しました』
東京の科捜研に電話が入った。
最初のコメントを投稿しよう!