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両手をベッドについて必死に倒れ込むのをこらえていた理斗のうなじに理真の吐息がかかって体が震えた。
「いい匂い。理斗、もう発情しちゃってるね。俺を見て」
隣に座った理真に甘い声音で命じられた理斗は操り人形のように理真へと顔を向けた。自分の呼吸だけでなく心臓の音までが耳について下半身がドロドロに溶けていくのが解る。
「可愛い。発情した理斗ってこんなやらしい顔になるんだ」
「見ないでくれ。やっぱり駄目だ」
いたたまれなくなって逃げ出そうとした理斗は、強めの力で理真に肩と手首をつかまれてベッドに仰向けに倒された。
「やっと俺のところに来たのに逃がさないよ」
「理真、待て。駄目なんだ。見ないでくれ……!」
「やめたいの? 俺はいなくなった方がいい?」
理斗の上に覆いかぶさりながら理真が耳に唇をくっつけるようにしてささやく。そのまま耳朶を軽く噛まれた。
「あ、あっ。駄目……理真がいなくなるのは駄目だっ」
「だったら俺に理斗を全部ちょうだい」
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