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「謝るな。それよりも大きな問題がある……んうっ」
射精を終えたものを後孔から引き抜いた理斗は理真と向かい合わせになると勢いよく理真を突き飛ばす。仰向けに倒れた理真が呆気に取られている間に理斗は理真の腹に乗った。
「発情期のオメガが一回で済むと思っているのか?」
大胆な行動とは裏腹に理斗は顔から火を噴きそうなほど赤面していて理真の顔などとても見ることはできない。だが告げた言葉に偽りはなかった。
「それってもう一回ってこと?」
「訊き返すな!」
「本当にやばいって理斗。なんでそんなエロいの? 俺をどうしたいんだよ」
シーツに茶色のサラサラした髪を散らばせた理真が声を立てて笑う。
「キスして触って、今度は顔見ながらイクのがいい?」
「だから、訊くな」
腕を引かれた理斗は素直に前へと倒れ、理真の胸に自分の胸を合わせて頬に軽くくちづけた。すぐに理真が理斗の方へ顔を向けたので唇同士が重なり合う。
「好き。理斗、愛してる」
今までにも理真から何度も告白の言葉を送られてきたけれど、これほど真剣な声で「愛してる」と告げられたのは初めてだ。理斗は一気に熱が上昇していくのを感じた。
「俺……俺は」
同じ言葉を返そうと思っているのに羞恥が勝って唇が震える。そんな状況なのに理斗は疼く中心と後孔をどうにかしたくて、理真の上でもじもじと腰を動かした。
「言うのは恥ずかしいのに腰振っちゃうとか勘弁して」
「違う。俺、俺……う、あっ」
言い淀んでいた理斗の腕を捕えて理真は素早く体勢を入れ替える。理斗は芯を持ち始めていた中心へ絡められた指に驚くよりも、もたらされる快感に早くも飲み込まれそうになった。
「俺は理真を許してる……んん、う!」
「うん」
どちらからともなく重ねた唇を離すことなく互いの体の奥深くまでを貪る。それは明け方に理斗が気を失うまで続いた。
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