こたつごっこ

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いつ頃だっただろう。 あれは確か、私が小学生で弟が幼稚園くらいだった気がする。 私の家にはこたつが無かったけど、祖父母や親戚の家に行くとこたつがあり、小さいながらに私たち姉弟はこたつ特有の包み込んでくれるような温もりにすっかり虜になった。 特に、寒い日にほっこりと温かいこたつで食べたアイスクリームはとろけるように美味しくて、この上なく贅沢で、まるで自分が世界一の幸せなお姫様なのではないかと感じたくらいだった。 小さな私と弟は家で再々、敷布団の上に小さな折りたたみ机を広げて置き、そこに毛布と掛布団をかけ、おもちゃ箱の蓋をテーブル台の代わりとし、『なんちゃってこたつ』を作ってはそこに入って遊んでいた。 安定の悪いテーブルの上にジュースを置いて、布団の上にひっくり返してしまい、親にこっ酷く叱られたのも今となってはいい思い出だ。
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