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君の指先が好きだ。
その特に白くも浅黒いというわけでもない肌の上に乗る、艶やかな爪が。
縦長の綺麗な形のそれが君の手入れの賜物なのかどうか私は知らないけれど。
ずっと触っていたい。
思ったことをニュアンスまで伝わるように詳細に話したなら君はきっと私を気持ち悪いと言うだろう。
だから私は何でもないように言う。
「指、綺麗だよね」
テーブルに無防備に置かれた指をなぞる。
君はなにやってるの、とは聞いてこない。
君は私の奇行には慣れっこだから。
「いいなあ…」
別段羨んでいるわけではない。
君の爪が私の指についていたところでそこに嬉しさはひとつもない。
だってそれはただの私の爪であって、私が好きなのは君の爪だから。
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