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ヤンキーが現れた
「じゃあどっちがカッコイイのを作るか競争ね!
君はちっちゃいからどうせひどいのを作るだろうけど、ボクはおにいちゃんだから一生懸命褒めるよ!」
平然と語るアキラは女の子の冷たい視線に気が付かない。
「あ、それとも可愛いのを作るほうがいい? 大丈夫――」
可愛くなくても褒めるから。
そう続けるつもりの言葉が引っ込んだ。手に持った粘土が腕ごと蹴飛ばされたからだ。
「なーんかショボいことやってんよ。あーん? なんだテメーは」
アキラが見上げると髪を逆立てた目つきの悪い少年が立っていた。
後ろに仲間を数人、引きつれている。
「わっ不良だ! ママが言ってたやつ。初めて見た」
痛覚は通じていないので蹴られた腕に痛みはなくても反射的にさすりながら、アキラは緊張感なく続ける。
「不良には近づいちゃダメだってママが言ってたんだ。
なんかね、『ムキドウ』? 目的を決めてないコトをするヒトは危ないんだって。
さあ、離れようねー」
さっと女の子を抱えて部屋の隅へ移動。そして〝不良〟の集団をじっと見る。
その行動が彼らを激昂させた。
「あんだーテメー! こういうときは出身を聞くのがテンプレだな。
テンプレには従わなければ。このテメどこサーバーだコラッ!」
「おいこのアカウント、今日転校してきたって奴だろ。なんでガキのアバターなんだ?」
「知るかよ。母親に虐待されてたって奴だろ?
親にも要らないモン扱いされた奴が、俺らの邪魔すんじゃねえよ!」
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