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もう既にホームルームは始まっており、教室内はしんと静まりかえっていた。
彼女はいつものように一番前の席で一際輝いたオーラを放っている。
しかしどこか背中が寂しげで、バックの花達も少なめだった。
益々罪悪感におそわれるけれど、ただその姿を後ろから見つめることしかできない。
ふいに彼女が後ろを振り返った。
冷や汗がじわりと出て、息が苦しくなる。
一体どんな顔をして、飛鳥ちゃんと視線を合わせればいいのだろう。
彼女もまた、私を見てハッとした表情をした後、すぐに前を向いてしまった。
……やっぱりそうだ。
やっぱり私は、彼女を傷つけてしまった。
「二人を応援する」と言っておきながら、自分も同じ相手を好きになって、横取りするようなこと……一番やっちゃいけないやつだ。
一番ヤバい脇役。
スーパー悪女。
裏切りものと言われても仕方がない。
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