いちわ

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いちわ

土煙が上がった。 悪魔の囁きとも言える気持ちの悪い、不気味な声を大地が上げる。 それから数秒後、 大量の瓦礫が雨のように降り注いだ。虫の息だった兵士たちは 次々と瓦礫の雨によって息絶えた。 戦争が続くこの街には常に死が纏わりついている。 今年14歳になったツトムもまた、その死を纏う寸前まで来ていた。 目の前の仲間が高速で移動を繰り返す鉛玉によって体を貫かれ、 赤いカーペットを作り出したかと思うと白眼をむいて動かなくなった 先ほどお腹を見事にブッた斬られて、横たわることしかできないツトムの元にもその意地悪な鉛玉は迫って来ていた。     
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