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まるで恋愛評論家のような言葉は、他の人が口にすれば白々しく感じるのに、なぜか志岐先輩が言えば説得力すら感じる。
常日頃からモテモテで、日課の様に告白されてたりするからだろうか?
こんな志岐先輩の言葉に、梅田部長はさらに眉間にシワを寄せて、何やら考えているらしく、しばらくして私にスケッチブックを返してくれて顔を上げた。
「『滲み出る強さは強烈。けれど人には反面とも言える内面があり、それを忍ばせ感じさせることができたら秀逸』」
「一言一句覚えてるんですね、部長」
私も副部長の志岐先輩と同じ意見だ。というか、かなり根に持ってるらしい。
これは梅田部長の作品に対する評論だ。
確かに、梅田部長の作品は強烈だった。
一度見たら忘れることは出来ないだろう、鮮烈な赤に部長の自画像は鬼気迫ると言う言葉がピッタリ作品だった。
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