２月１４日の学校

ホワイトデー

１ヶ月経つと様変わりしています。憧れの先輩は卒業しています。お返しのキャンディをあげる余裕がありません。たくさん貰った男子は、春休みを口実にお返しをしない者が少なくありません。カップルならまだしも、こういう格差がある片思いでは、そういうのを期待するのが無理です。本人たちも最初からわかっていて、一か八かで行動を起こしているのです。
まともにお返しを貰えたのはカップルか、高嶺の花ではない在校生男子からでした。ここでも、見事に製菓業界の商戦に嵌りました。これで、新カップルになれたのは全体の２割にもなりません。部活では名門校なのか、サクラ男子が少なくない学校では、恋愛成就率が低いようです。春休みにデートしてるカップルもチラホラ見られます。
相手がいようといなかろうとクラス分けはどうなるかソワソワするのもこの時期です。カップルなら、なおさらそれが気になります。
春休みが終わり、新学期が始まります。中にはクラスがバラバラになったカップルもいます。そういう時は、食堂で一緒に食べたり、放課後にデートしたりして二人の時間を作るのです。
入学式が終わり、新一年生が入って来ました。右も左もわからない一年生は、教室に篭っています。上級生となった在校生の中から、憧れの先輩となった者が出ます。
モテる男子もモテない男子も２月１４日になると、去年と同じような争奪戦を繰り返すのです。