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大学生の時に仲良くなった友人・大城の話。
小6の時、友人達と「卒業記念肝試し」を計画した。
場所は海岸沿いの高台に建つ1軒の廃屋。
だがその家は、不法侵入を防ぐために窓にも玄関にも頑丈に板が打ち付けられ、どこからも中に入れないようになっていた。
小学生の彼らには板を引き剥がす力がある訳もなく、早々に「肝試し」を諦めて、海に面した庭で持参した花火をする事に。
花火を片手に騒ぎ回っていた大城は庭の隅にあった「何か」を踏み潰してしまった。
一瞬ドキッとしたが、どうせ空き家にあるものだから大したモノではないだろうと思い、そのまま忘れてしまった。
やがて中学校へ入学した頃から異変が現れ始めた。
病気らしい病気もせず学校を休んだ事もなかった彼が、原因不明の体調不良で休みがちになる。
時を同じくして、家で飼っていた犬や鶏も次々と死んでいく。
中学2年生の秋頃に決定打が訪れた。
突然全身に湿疹が現れ、激しい痒みと不快感に襲われ家から出ることも出来なくなってしまった。
不審に思った家族が、知り合いのツテでユタを紹介してもらう事に。
やってきたお婆さんは彼の顔を見るなり顔をしかめて呟いた。
「カジョーラーか」
そして布団から彼を庭先へ引きずり出し、大城の父親にタバコの煙を吹きかけるように言いつけた。
全身に吹きかけられるタバコの煙にむせていると、「お前みたいなモノが、こんな所で何をしとるか! さっさと離れねば、この不浄の草履で叩き出すぞ!」と怒鳴りつけながら大城の背中をトイレのスリッパでパンパンッ!と叩きつける。
やがて肩で大きく息をつくと、父親に再び視線を向け「川に流してくるように。その際に決して振り返ってはいけない」と言い含めて手にしたトイレのスリッパを渡した。
ユタは怯えきった彼に「あんたには女の霊が取り憑いている。何か心当たりはないか?」と尋ねた。
心当たり……思い当たるのは6年生の時のアレしかない。
当時を思い出しながら、出来るだけ詳細にお婆さんに説明した。
話を聞いていたお婆さんは、大きくため息をついてから語りだした。
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