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「姉弟だけで旅行に来るのも今年で最後か」 「そうだね、来年はうちらの旦那や彼氏も連れて旅行に行こうよ」 「あ、それ、賛成」 「今までお世話になりました」 「「「ウンウン」」」 両親を交通事故で亡くした時、4姉弟のうち歳の離れた弟はまだ小学生だった。 私を含め上3人は就職していたから生活は何とかなったけど、帰りが遅い私達の所為で、弟には何時も寂しい思いをさせる事になる。 その詫びとして毎年年末年始は旅先で過ごしていた。 私達の仕事が忙しくて、お節料理を用意できないってのもあったけど。 と!?掘り炬燵の中の足を撫でられた。 「ちょっと! 悪戯しているのは誰?」 「「「へ?」」」 あれ? 皆の手は炬燵の上に出ている。 「キャ! 誰!?足を触ったの?」 直ぐ下の妹も悪戯されたようだ。 私達は炬燵から足を出し、布団を捲って中を覗き込む。 「「「「ヒィ!?」」」」 掘り炬燵の底から手が1本伸びていた。
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