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「痛! チョット蹴っ飛ばさないでよ」
「あんたが足を伸ばしすぎなのよ。
痛! やったわね」
「ヘヘン、お返し」
「このーーーー、此でも食らえ」
掘り炬燵の中で足の蹴り合いが始まった。
私も双子の妹も空手を幼少の頃から嗜んでいるから、1発、1発にかなりの威力がある。
蹴り合いが始まって数分過ぎた頃、私と妹しかいない筈の部屋の隅から声が掛かった。
「お、お願いです!
もう止めてください」
え? 妹と顔を見合わせ、それから声のした方を見る。
其処には何時の間に部屋に入って来たのか、赤青の子鬼達や狐に狸それに犬や猫の耳と尻尾をつけた子供達が、土下座していた。
私達が蹴り合いを止めたのを見て、子供達は炬燵の布団を捲り、中から顔面がボコボコで血塗れになり失神しているおかっぱ頭の童を引っ張り出す。
引っ張り出したおかっぱ頭の童を抱え、私達にペコペコと頭を下げ子供達は部屋から出て行った。
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