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「掘り炬燵は良いわね。
普通の炬燵だと多人数で温まろうとすると入りきらずに、何処かしら寒いけど、掘り炬燵だとチョット窮屈なのを我慢すれば皆が温まられるから」
「そうだな。
家も掘り炬燵にするか?」
長患いで入院していた父の退院祝いとして、私達家族は山奥の温泉旅館に来ている。
私の隣で掘り炬燵に足を入れている小学生の息子が炬燵の中を覗き込み、顔を上げて掘り炬燵を囲む私達家族の数を数え、また掘り炬燵の中を覗き込む。
「あんた何をしているの?
布団を捲ると寒いから止めなさい」
「そうなんだけど…………」
「如何したの?」
「足が多いんだよ」
「え?」
「炬燵に入っているの、僕とママとパパに、爺ちゃん婆ちゃん小母ちゃんの6人だから足は12本の筈なのに、13本あるんだよ」
「数え間違いじゃないの?」
「だったら一緒に数えてよ」
炬燵布団が捲られ、皆で足の本数を数える。
「「「「「「1本、2本、3本、4本……………………10本、11本、12本、13ほ!?エェ!??」」」」」」
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