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汚れた黒板~神様の暇潰しデスゲーム~II
※
「ぅわあっ」
……て、あれ?
目を開くと、そこは薄暗い教室だった。
俺は自分の席に座っていて、机から顔を上げたまま呆然とする。
「寝ていたのか…もう夜」
目を擦りながら、窓の外を見た。
青い満月が、教室を不気味な色で照らしている。少し違和感を感じたが、気にせず目を閉じた。
やっぱり、夢だった。
「よかった…」
「何がだ」
「え?」
俺の頭上から声がした。
真横に同じ制服を着ている人間を確認。胴体からゆっくりと顔に向かって視線を上げると、見知らぬ男子生徒が無表情で俺を見ていた。
明るい髪色と、つり上がった目元。
同じ制服に身を包んでいるその体は長身の細身だ。容姿だけ見ると女子にモテる範囲にいる男子生徒だろう。
「えと、いや、何でもないんだ。変な夢を見ていたらこんな時間になってた」
俺はにこっと笑って席を立つ。
男子生徒は無表情のまま、俺の瞳から視線を逸らさない。
なんか…凄く冷たい表情だな。
「えーと…お前も帰り遅くなったのか?良かったら一緒に帰らないか。あ、同じクラスだよな?ごめん俺、昨日転校してきたばっかだから、まだクラスの生徒の顔や名前を覚えていないんだ。良かったら、名前教えてくれないか?」
「名前…?何故そんなことを聞いてくるんだ。それは何かの作戦か」
「…は?」
思わず素の声が出た。歪む表情を慌てて笑顔に戻す。
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