汚れた黒板~神様の暇潰しデスゲーム~II

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「作戦って何だよ。ただ俺はお前の名前を知りたいだけだって。ホラ、友達とかになりたいしさ」 「…おかしな奴だな」 「いやお前だろ!お前がおかしいだろ!」 しまった、思わずツッコミを入れてしまった…。 男子生徒は無表情のままだ。俺は顔をしかめて頭を掻く。 「まぁいいや…俺の名前は赤崎秋(あかさき しゅう)。秋でいいぞ、まぁこれから宜しく頼む」 「俺は……吉野だ」 「吉野な。で、下の名前は?」 「分からない」 「は?」 「俺は俺という存在の記憶をずっと思い出せない。ただ一つだけ、吉野と呼ばれていたような気がする」 …意味が分からない。 「今度は俺から質問だ。お前は『ナンバー撲滅隊』というチームの、新しいメンバーなのか?」 「はあ?撲滅隊って……ったく、お前まじ何なんだよ。あれか、厨二病なのか。悪いけどそういうのには付き合えない。俺は先に帰る、じゃあな」 俺は教室に吉野を置いて歩き去る。 教室のドアを開けた時、後ろから吉野の「待て」という小さな声が聞こえた。 「動くな」 続いたその言葉に、俺の足が止まる。 やれやれ面倒臭いなぁと、思いながら振り返った。 俺に向かって真っ直ぐ、銃が向けられていた。 「……は?」 俺はぽかんとした。 相変わらず無表情な吉野が、銃口を俺に向けたまま言う。 「もう一度聞く。お前は『ナンバー撲滅隊』のメンバーか?」 「っ、いや…だから知らないって。てかその銃どこから…」 そこで俺はハッとした。さっきまで見ていた夢を思い出したからだ。頭を抱える。 ナンバー…撲滅…デスゲーム…ぁああ待て、待て待て待て!まさか俺、まだ夢から目覚めていない状況なのか!? 「違うのか?」 「し、知らない!つかこれは夢だろ?夢だからつまり~、あ~、とにかく俺は早く目覚めなきゃならないんだよ!」 「なるほど…お前はこのゲームの初心者で、まだ頭の理解が追いついていない状態なんだな」 吉野がぼそりと呟いた。 俺はとりあえずうんうんと頷いた。 でも吉野は銃をおろしてくれない。
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