汚れた黒板~神様の暇潰しデスゲーム~III

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「サア、ボクヲ殺シテ、次ノゲームニ進メルカナ」 その瞬間、ぽっかりと空いたふたつの黒い穴が赤い光を放った。 リィィイイィン… あの鈴の音が響く。 耳鳴りのようにキーンとする嫌な音と共に、視界がぐにゃりと歪んで渦を巻いた。 ※ 「ーー!」 気がつくと、俺は屋上に立っていた。 冷たい風が全身を叩き、視界いっぱいに青い満月が飛び込んでくる。 「秋君」 後ろから優姫の声がした。 振り返ると、そこには優姫しかいなかった。 どうやら今度は優姫と屋上に飛ばされたみたいだ。 「これは厄介な能力ね…」 優姫は長い黒髪を耳にかけ、眉を寄せて呟いた。 「そうだな…」 俺は苦笑する。 すると優姫が俺の後ろを見て「あ」と声を上げた。 見ると、屋上の隅に吉野の姿があった。吉野は俺たちに背を向けて、首を前に折っている。 「吉野!」 俺の呼びかけに、吉野は振り返らなかった。 様子が変だ。優姫と視線を合わせて不思議に思う。 その時、吉野が動いた。 前進して行くその先にはフェンスがない。 「え…?ちょ、吉野!」 まさか… 俺は慌てて走り出した。 吉野は止まらない。あのままだと落ちてしまう。 近づいた背中に向かって手を飛ばす。 肩を掴もうとした瞬間、フッとその姿が消えた。 「あっ…」 俺の口から漏れた小さな悲鳴。 どんっと、後ろから体を前に押された。 足元に地面はなく、どこか冷静な頭で落ちると思った。優姫の悲鳴に近い声が空に響く。 仰向けの状態で落ちていく俺を、上から吉野が見下ろしていた。 けれどその顔にいつもの無表情はなく、あの骸骨の子供のように吉野の顔はーー真っ白な骸骨だった。 …………
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