汚れた黒板~神様の暇潰しデスゲーム~Ⅳ

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※ 自室の天井が目に入る。 外の眩しい光に、だんだんと意識が目覚めてきた。 「吉野...」 頭は少し混乱していた。目覚めたこの瞬間が1番夢か現実か分からなくなる。 骸骨の吉野と血みどろの吉野が、しばらく頭から離れなかった。 ※ 憂鬱な気分で廊下を歩いていたら、数人の女子が鼓の名前を口にして盛り上がっていた。彼女たちが見ているのはファッション雑誌だ。 「...鼓って、本当にモデルなんだな」 「そうだよ」 「うわっ」 後ろから急に鼓の声がかかって、思わず声をあげた。 「おはよう、秋君」 「ああ...、おはよう鼓」 相変わらず完璧な笑顔だ。 学校で会話をしたのはこれが初めてになる。 「あの後は結局ゲームオーバーだったよ。僕は吉野君と一緒だったんだけど、全く口を利いてくれなくてね。僕は彼に嫌われているみたいなんだ」 と言ってしょんぼりした。俺は何も言えなくて苦笑する。 吉野は鼓と一緒だったのか...なら、俺が屋上で見た吉野は一体... 「あ、鼓君だ!」 鼓に気づいた女子たちに、鼓はあっという間に囲まれてしまった。 「おはよう鼓君!」 「鼓君が載ってた雑誌、私買ったよ!」 「あ、私も私も!」 女子たちの猛アピールに、鼓はキラキラした笑顔を浮かべる。 「嬉しいなぁ、みんなありがとう」 きゃー!と一斉に悲鳴が上がった。 後方へ静かに避難した俺の真横に、急に現れた清香が並ぶ。 「おはよ、秋君」 「おはよう、清香」 「昨日のことは優姫から聞いた。私は協力出来なかったけど、なにはともあれ『ナンバー』を倒せて良かったわ。今回もありがとう」 真面目な顔でそう言った清香は、鼓のモテぶりを見て呆れ顔になる。 昨日のことを思い出してしまった俺は、なんとも言えない気持ちになって清香から目をそらした。 この様子だと、俺にキスをした記憶はないんだろうな...。 「秋君、昼休みにメンバー全員で集まりたいんだけど、いい?」 「ああ、大丈夫だ。作戦会議とかか?」 「それもあるけど、そろそろ調べた方がいいと思って」 清香は困ったような顔を見せる。 「...吉野のことか」 「ええ。もしかして、秋君はもう彼のことについて調べたの?」 「いや...」 俺は言い淀んで黙った。
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