汚れた黒板~神様の暇潰しデスゲーム~V

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清香から聞いた話を思い出して、俺は無意識に警戒していた。 明が指をさす。 「ジュース、買わないんですか?」 「あ…」 明は不思議そうに俺を見ている。 俺は慌ててボタンを押して、コーラのペットボトルを取り出して横に退いた。 明が自販機の前に立つ。 「先輩は、何か部活はしてますか?」 明は尻ポケットから財布を抜きながら俺に問いかけた。 「いや、入部してないよ。けど、前の学校では剣道部だったな」 「へぇ凄いや。僕、運動音痴なんで羨ましいですよ。この学校には剣道部はありませんから、残念ですね」 明は気さくな笑顔を見せる。初対面の時とは大違いな態度だ。 お金を入れて、指先がボタンを選ぶ。 「そういえば、前に僕が鳥居の巫女の話をしましたけど、結局先輩たちはどうしてあの話を聞きたかったんですか?」 その横顔が、急に冷たい表情に変わった。 「っーー…、いや…別に、深い理由はないんだけど…」 ぞくりとした悪寒が背筋を這い上がった。空気が冷たくなり、周りの音が消えた。時間が止まったかのようだ。 そしてほんの一瞬、体が動かなくなる。 ーーーーガコンッ その音で、金縛りが解けた。 明はペットボトルを取り出す。 なんだ…?今の… 「じゃあ僕はこれで。失礼します」 にこっと笑った明が俺の真横を通り過ぎていく。 その時、足元に何かが落ちるかしゃんという音が響いた。
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