汚れた黒板~神様の暇潰しデスゲーム~VI

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※ 明君の言葉に、私は眉を顰めた。 強がって彼を睨みつけているけれど、内心は怖くて仕方がない。 「…秋君!」 床に倒れている秋君に気づいた。 ピクリとも動かない。 まさか… 「秋君に、何をしたの!?」 「大声で叫ばないでくれます?心配しなくても、秋先輩は気絶しているだけですよ」 明君は迷惑そうな顔を見せて、私を押しのけ、教室を出て行こうとする。 「待って」 教室内から、私はその華奢な背中に向かって投げかける。 「…ねぇ、どうしてこんな酷いことをするの」 「……」 「どうして私達を選んだの?私達に何か恨みでもあるなら…」 「恨み?そんなもの、ありませんよ」 「だったら、どうして!」 「死にたがりのくせに」 私は息を呑んだ。 明君は振り向き、口元に薄く笑みを浮かべる。 「だから僕は選んだんですよ。僕が選ぶ参加者達は皆、死にたがりの連中なんですから」 「…っ」 彼は軽い口調で言う。 「そんな人間をこの世界に集めて、僕のルールに縛られたゲームに参加させる。最後には皆怯えながら、口を揃えて言うんです、死にたくないって」 彼は可笑しそうに笑い声を上げた。 そして嫌な笑みを浮かべて、言葉を吐く。 「その瞬間を傍観するのが、最高に面白いんです」 私は唇を噛んだ。けど、何も言い返せなかった。 この少年には、きっと何も伝わらない。 こんな酷いことを平然としてしまう人間なんて、人間じゃない。 こいつは、人間じゃない。 扉が閉まる。 私は1人、怒りをぶつけることも出来ずに佇んでいた。
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