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「椿さんも獅朗君だけですか？獅朗君だけを想っていますか？」
獅朗だけを……私は想っている訳ではなかった。
獅朗のことは本当に好きだけど、私の胸の奥にはずっと学への想いも燻っている。
この想いは多分、ずっと変わらない。
「私は納得してません」
「……」
「どんなことをしても、獅朗君を振り向かせますから」
口を一文字に閉じ潤んだ瞳で真っ直ぐ私を見つめる。
「私はあなたみたいに、獅朗だけを想っている訳じゃないよ。違う人も獅朗と同じくらい想ってる」
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