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「酷い」
私に対して嫌悪感を隠さず顔を歪める。
「酷いよね。だけど、ごめんね。それでも獅朗が好き」
この気持ちはどうすることも出来ない。
「じゃあ、獅朗君じゃなくても良いじゃないですか!私には獅朗君しか居ないのに!どっちもなんてズルいです!」
ズルいのは百も承知。
考えても、考えても抜け出せないループ。
この私の素直な気持ちが、彼女の真っ直ぐ想いも歪ませて行ってしまったのかもしれない。
「獅朗君は渡しませんから」
最後に見せた彼女の瞳は敵意にみちていた。
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