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「椿さん、留学なさってたんですってね」
「えぇ」
「どうでしたあちらの生活は?」
「初めは戸惑いましたが、皆さん良い方だったので」
「なら、良かったですね」
「はい」
こんな会話をしている自分に笑いそうになる。
もし、学や獅朗が聞いたらゲラゲラ笑うだろう。
生きるのが必死で
だから、生きていると実感出来ていたあの頃とは違う。
見えない権力に守られ、それに疑問を持たずに過ごしていたあの頃とも違う。
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