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2話:運命
「はぁ……」
少女の他には先生達だけが校内に残された頃、少女は大きなため息をついていた。
こんなのをあの人達に見られたら絶対に何か言われる。
少女は震えていた。自分では気づいていなかったが。
「アニメならこんな時きっと……妖精か何かが助けてくれるのよね…」
ぽつりと呟く少女。
「そんなの夢でしかないって分かってるけど……もうこんな毎日いやだ…」
下を向き、目に涙を溜める少女。
しかし、後ろに何者かの気配を感じ、たまっていた涙をぬぐい、すぐに後ろを振り向いた。
「だ、れ……?」
少女が1度も見たことのない、14歳くらいの女の子が、そこには居たのであった。
「あなた、転校生……?」
だが、すぐに転校生という疑問は消え去った。
それもそのはず、女の子は制服を着ていなかった。それに、よく目を凝らしてみると、女の子の年は9歳くらいであった。
「あなたは、だれ……?なんで、ここにいるの……?」
女の子は何も言わず、ただ微笑んだだけであった。
しきりに首をひねる少女に対し、女の子の方は友好的であった。
女の子はふわふわととんで、少女の持っているほうきを少女の手から取ると、女の子はさささっと掃除を済ませてしまった。
「え……」
ただ呆然とする少女。
その傍らには、手伝ったことを褒めてとでも言わんばかりの、とびきりの笑顔の女の子がいた。
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