王の花嫁

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「どうだろう?僕にはじいさんのような父上だったけれど。ラングからユーモアや女性関係をぬいた感じかな。もしかしたら兄弟4人を足して割れば父上になるのかも?…とすると、僕が父上から継いだものってなんだろうね?」 ジャックさんを含めた4人ということらしい。 それは皇太后様がよくわかっていらっしゃるかと思う。 「女性に奥手ですよね」 私から迫れというのは、きっとそういうことなんだろう。 「15で嫁きたしっ。19のときには嫁3人だしっ。更にはついこの前まで嫁7人もいたしっ」 違うとでも言いたげに王様は仰ってくださる。 そう言われても、どうしても王様はそういう人なのだと思う。 使命感みたいなものはあるみたいで、やらなきゃいけないことはやってくれるけれど。 やらなきゃいけないことじゃなかったら、きっと私は13で嫁入りしたばかりのときに王様に手を出されてはいなかった。 「嫁、戻ってくるんですか?」 国がこういう状態だからと帰らされた方々。 シャルロット様とベラ様。 どちらも癖のある方々。 「戻ってくる予定はないよ。ベラはずっと閉じ込めていたし、シャルロットもこわいめにあって、向こうから断られる」 王様はそういうつもりはなかったのにと言いたげに仰ってくださる。 王様は平等に接してくださっていた。 私だけ不平等なところが多すぎたけど、それでも平等。 王様が自ら進んであの方々になにかをしたわけでもない。 妃たちになにかをしたとは言えない。 「では私に子供を」 「本当にやる気だね…。僕、そんなに性欲強いわけでもないから、そこまでがんばらなくていいよ?」 「そこが先の王様譲りですか?……王様と上のお兄様方との間の年月にジャックさんがいらっしゃることを考えると、他の女性に目を向けられないこともない…となりますよね」 「それ、僕に父上を重ねてる?ないから。侍女に手を出すほど飢えたりしないから」 「ジャックさんから聞いたのですが、王様が認められているのにジャックさんのお母様は処刑されたとか…」 「いや、それ、違うから。処刑されていないから。ジャックには秘密になっているだけで生きているから。すぐ近くにいるから」 王様がそんな言葉を漏らしてくださって、私は近くにいる、ジャックさんのお母様になってもおかしくなさそうな年齢の侍女を浮かべる。 ナタリーさん? ブレゼさんも考えられるけれど。 ……ナタリーさん?
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